外注費の処理の仕方(個人事業、青色申告)
外注費の処理の仕方について
本コラムでは、どのような支出が外注費に該当するのか、外注費と給与の違い、またそこに発生する税金はどのようなものがあるのかについてご紹介致します。
外注費とは
外注費とは、自社の業務を外部委託するため、外部の法人又は個人と請負契約を締結し支払った時に発生する費用となります。
外注費と給与の違い
請負契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価→外注費
雇用契約若しくはこれに準ずる契約に基づく対価→給与
税金・社会保険料
外注費
源泉税、社会保険料は発生しません。
ただし、源泉徴収の対象となるものについては源泉税が発生します。消費税の計算上仕入税額控除ができます。
給与
源泉税、社会保険料が発生します。
消費税の計算上仕入税額控除ができません。
外注費で処理することによる税金、社会保険料の負担を少ないですが、その支払が本当に外注費であるかは税務調査でチェックされる項目
となりますのでその違いについては確認する必要があります。
その支払った外注費について源泉税の対象となる場合の会計処理
外注費 100,000 / 現金預金 89,790
預り金 10,210
100,000×10.21%=10,210円←源泉徴収税額
外注費と給与の判断基準
その支払の対価が請負契約によるものか雇用契約によるものかが明らかでない場合は、以下の項目をもとに判断されます。
※『国税庁 大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて(法令解釈通達)より』
(1)他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。
(2)報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。
(3)作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。
(4)まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。
(5)材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。
支払った外注費のうち、源泉徴収の対象となるものがあります。その範囲は以下の通りとなっております。
※『国税庁 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは』より
(1)個人の場合
1 原稿料や講演料など
2 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
3 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
4 プロ野球選手、プロサッカーの選手、プロテニスの選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
5 映画、演劇その他芸能(音楽、舞踊、漫才等)、テレビジョン放送等の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
6 ホテル、旅館などで行われる宴会等において、客に対して接待等を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
7 プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
8 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
(2)法人の場合
馬主である法人に支払う競馬の賞金
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