試算表を早く出すべき理由とは?不一致の悩みから抜け出す方法
試算表を見れば会社の経営状況の概要を把握できます。
試算表は便利な側面を持つ一方で、作成業務の工数が多く、非常に煩雑です。
試算表を早く出すべき理由とは、そして煩雑さから逃れつつ正確な試算表を作り出す方法についてご説明いたします。
試算表作成に手間がかかる原因とは
試算表とは決算書類を作成する前段階にあたり、仕訳や転記、計算上のミスなどがないかを確かめるために作成されるものです。
試算表作成には
(1)仕訳帳に記入
(2)総勘定元帳に記入
の二つの工程を踏む必要があります。
日々の全ての取引を仕訳していった結果、できあがるのが試算表です。
従って、試算表作成に手間がかかる原因は、日々のすべての取引を仕訳する必要があり、手数が多いという理由が挙げられます。
また、仕訳の必要があった場合にすぐに作業をせず、溜めてしまうことも手間がかかる一因となります。
日々の作業を怠ると、いざ試算表を出す必要がある際に膨大な工数を要し、試算表の提示が遅くなります。
ではなせ試算表を早く作成し、提出する必要があるのか、次の章でご説明します。
試算表を早めに出すべき理由
試算表に手間がかかることは前章でご説明しましたが、そもそも試算表はどのような場面で利用し、必要とされるのでしょうか。
試算表を利用する場面は多岐にわたりますが、
(1)経営状況を見たいとき
(2)資金調達を企図するとき
が挙げられます。
試算表は、決算書類を出す前データに当たるため、試算表を出せば会社の資産や損益を計算することができ、決算書と同様の内容を得ることができます。
そのため、経営判断を行う際や資金調達を企図する際など、経営状況を確かめたいときに利用することができます。
では、試算表の作成が遅れるとどうなるのでしょうか?一般的に試算表は月次で出されるべきものです。
しかし、月末でなくとも試算表の提示を求められる場面は訪れます。試算表をすぐに出せないと、実際の詳細なデータを基にした経営判断(データドリブン経営)はできません。
また、銀行に融資を求めたり補助金を申請する際など、会社にとって緊急性を要する場面で相手に経営状況の明示ができません。
会社の経営状況を正確に把握できる試算表を早めに出せるか否かは会社の存亡に直結します。
ここまで、試算表の重要性や早めに出すべき理由を述べました。次の章では試算表の種類とそれぞれの使用用途についてご説明いたします。
試算表の種類と使用用途
経営状況を詳細に理解するために重要な試算表は、当然正しく作成する必要があります。試算表には3種類存在します。
以下、特徴を説明していきます。
合計試算表
合計試算表とは、総勘定元帳の各勘定科目の「貸方の合計」「借方の合計」を記入したものです。
仕訳ごとに貸借が一致するため、貸方借方の合計は必ず一致します。そのため、転記ミスやズレを発見するのに適しています。
しかし、貸方の合計と借方の合計の全てが記載されているため、残高をすぐに確認することができません。
残高試算表
残高試算表とは、どちらか一方の残高として表示されるものであり、貸方残高と借方残高を把握できるものです。
残高試算表は貸借対照表や損益計算書を作成する基になるというメリットがあります。
しかし、勘定科目の貸方と借方の合計の差額を残高として記載しているため、転記ミスやズレを発見するのには適していません。
合計残高試算表
合計残高試算表とは名前の通り、合計試算表と残高試算表を合わせたものです。
合計試算表と残高試算表が合体しているため、双方のメリットデメリットを補完し合っているものになります。
しかし、作成に手間がかかるという欠点を持っています。
ここまで各試算表とその用途について説明してきました。次の章ではテンプレートを例示します。
作成の手間から抜け出す方法
合計残高試算表の形は合っていても入力される人に問題があり、スムーズな作成が出来ない場合があります。
例えば
・知識不足で入力ミスが多発する
・経理が辞めてしまい情報が引き継がれていない
・新任者が対応したことがない
・社長が本業と経理を兼業しており時間が取れない
という場合が挙げられます。
では、如何にして試算表の作成の手間を減らすのか。
ここまで、試算表について、早めに出すべき理由、試算表の作り方について述べてきました。
改めてお伝えすると、試算表がすぐに出せないことには大きなデメリットが存在します。
試算表をすぐに出す理由は、一言で言うと「会社の経営状況を瞬時に把握するため」です。
会社の経営判断を行いたい場合や資金調達を企図する際に試算表は必要です。
しかもそのどれもが緊急性が高い場合がほとんどです。
その一方で、試算表の作成には専門的知識が必要不可欠です。また、膨大な工数がかかります。
そんな試算表の手間から抜け出す方法としては
①クラウド型の会計ソフトの導入
②外部の専門家に任せる
の2点があげられます。
まず、①についてご説明いたします。
近年急速に拡大しているクラウド型の会計ソフトは、各種データ出力元からのデータ連携・連動を行うことができます。
各種データが連動・連動することで入力工数の削減が可能になり、試算表作成業務の効率化を測ることができます。
また、会計ソフトへの入力には専門的な知識が必要です。
よって、専門知識を持つ人を採用して経理業務を任せることも方法の一つです。
しかし、採用コストや従業員の教育・雇用コストを考慮すると、会計ソフトの導入だけでは試算表の手間だけでなく、そのコストも一定程度必要となります。
したがって、②の「外部の専門家に任せる」が解決方法となります。
日々の管理を初めから外部の専門家に任せるというのも一つの手です。
外部の専門家であれば必要な知識を持っているだけでなく、採用・雇用コストが不要であり、また専門家として自社に適宜適切なアドバイスも行ってくれます。
また、外部の専門家に業務を任せることができるという点で、社員が本業に集中できるというメリットもあります。
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