「損金経理」とは
会計税務の世界には「損金経理」という言葉がございます。
経理という単語はまだしも、損金という単語は日常的になかなか見慣れない言葉なのではないでしょうか。
今回のコラムではこちらの「損金経理」という単語がどういうものなのか、どんな意味を持つものなのかを紹介させていただきます。
「損金経理」という言葉をご存知でしょうか?
損金経理とはいったい何なのか?
それを一言で表現するならば「会計上で費用処理すること」です。
会社の経理というのは日々たくさんの取引の中でまわっています。
例えば取引先と商談のために食事に行った時の食事代、打ち合わせの場所に行くために使ったタクシー代、はたまたこうしてコラムを読むためにパソコンなどのデバイスを購入した費用などなど。
そのような会社の事業のためにかかるひとつひとつの費用を会計帳簿上で認識するために経費として処理をすること、これを損金経理と呼びます。
ここでもう少しだけ踏み込んで損金経理の世界のお話をさせてください。経営者の皆様におかれましてはこんなお話を聞いたことはございませんか。
「会計上の利益と、税金計算上の利益というのは違う」
というお話です。
ここでいう税金計算とは法人税を指しております。
会計上の利益の求め方というのは、収益(売上)から費用や損失を差し引くことで算出されます。
これにたいして税金計算上の利益はどのように求めるのでしょうか?
上記に違うと書きましたが大筋は同じなのです。税金計算上では、呼び方が少し変わりまして、収益を益金、費用を損金と表現します。
益金から損金を差し引くことで求められるものが所得であり、これが税金計算上の利益となります。
ではなぜ費用をわざわざ損金と呼ぶのでしょう。それは費用と損金の間にある違いが存在するからなのです。
費用だけれど損金にならないものがある!
費用と損金の間にある違いとは果たして何なのか。
それは、「費用として計上したけれど損金としては認められない経費が存在する」という事なのです。
イメージとしてはまず大きな丸として費用の世界が存在します。
その中に損金の世界が存在していて、それはほぼ同じ大きさをしています。
しかし、この損金というのは費用より少し丸が小さくなっていて、それはつまり費用として会計上で経費処理はしたけれど、税金計算の世界ではその費用は認められず、損金として計上されないものが出てくることがございます。
例えば減価償却費です。
減価償却費というのは、耐用年数や償却方法に応じてその資産ごとに適正な償却費が存在します。
税金計算上ではその上限までしか費用として認めませんが、会計上では実は上限を越えて費用として償却費をあげることも出来るのです。
そうした時に、費用として経費計上は出来るけれど、その上限を超えた部分の金額は税金計算上認めませんよ、という取り扱いになります
この区分を示すために費用という言葉に対して損金という言葉が存在しています。
税金の計算というのは会計上の利益を起点として始まります。
これはつまり、会計上で損金経理をすることで初めて経費というのは費用となります。
先ほどの減価償却費についても、まず会計上で損金経理をしなければ、税金計算上も費用として認められません。
ゆえに数ある費用を損金経理するというのはとても大切なことなのです。
月次報告の場においても、決算申告の場においても、会社の費用をどれだけ損金経理するかというお話は是非会計事務所側としていただければと思います。
そうすることで漏れなく、適正に事業経費を計上することが可能となり、その期の決算の締めくくりに繋がる事でしょう。
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